まぶたの手術
当院での眼瞼下垂・逆さまつ毛手術の特長
・すべての手術を眼瞼手術に特化した形成外科専門医が行い、
外来診察は院長をはじめとする眼科専門医が行います。
・眼科専門医と形成外科専門医による視機能・審美面に配慮した治療を提供します。
眼瞼下垂
眼瞼下垂とは・症状
眼瞼下垂はまぶたが正常の状態よりも下がってしまった状態のことをいいます。
まぶたが下がってしまうと、
・上方の視野が狭くなる
・視野が暗い
・運転するときに見づらい
・テレビを観る時や本を読むときにじっと目を開けているのが辛い
など、日常生活において見づらさの原因となります。
また眼瞼下垂の状態で無理にまぶたを持ち上げようと力が入ることで、
・頭痛や肩こり
・眼精疲労
など様々な症状の原因となることがあります。
近年、眼瞼下垂の病気としての認知が広まり、治療をされる方が増えています。
当院では眼瞼下垂の治療が可能です。
眼瞼下垂になってしまう原因は?
・加齢
眼瞼下垂の原因で最も多いのは加齢です。早い方で30代から加齢による変化でまぶたの開けづらさを感じる方がいます。60代以上では、ほとんどの方で大なり小なりの眼瞼下垂の要素があります。
・先天性
まぶたの開きが生まれつき悪い方もいらっしゃいます。10代・20代でもまぶたの開きが悪く、見づらさ、眼瞼下垂由来の頭痛・肩こりに悩まれている方は治療の対象となることがあります。
・ハードコンタクトレンズ、目を擦る、外傷等
長年ハードコンタクトレンズを装用されていた方や、アトピーで目を擦ることが多い方で眼瞼下垂が生じることがあります。まぶたの怪我が原因で眼瞼下垂となることがあります。
・筋・神経疾患などの全身性の疾患
眼瞼下垂は重症筋無力症・脳動脈瘤などの、命に関わる病気の一症状として生じる場合があります。この場合は原因疾患の治療が重要です。急に発症・進行する眼瞼下垂ではこれらの疾患の検査が必要となる可能性があります。
眼瞼下垂のまぶたはどういう状態?
眼瞼下垂には大きく2つの要因(筋肉の要因と皮ふの要因)があります。
・筋肉の要因
まぶたを持ち上げる筋肉の膜(挙筋腱膜)が伸びてしまうことです。この挙筋腱膜が伸びてしまうと、筋肉の力がうまくまぶたに伝わらず、まぶたが持ち上がりません。
・皮ふの要因
はまぶたの皮ふや脂肪のたるみです。皮ふや脂肪のたるみがあると、まつ毛に覆いかぶさるようになってしまいます。
どちらの要素がどの程度、眼瞼下垂に関わっているかというのは患者様ごとに違いますので、一人ひとりに合わせた治療方法を選択します
眼瞼下垂の治療方法
眼瞼下垂の治療は手術で行います。全身麻酔が必要な小児の手術以外は当院で治療が可能です。
・挙筋前転術
まぶたを持ち上げる筋肉の膜(挙筋腱膜)を短く引き締める手術方法で、挙筋腱膜のゆるみが原因の方に行います。まつ毛の少し上(ふたえのライン)を切開し、必要があれば皮ふも適量切除します。挙筋腱膜を瞼板(まぶたの軟骨のような構造)に縫い付けて固定します。まぶたの開きや左右差を確認して、挙筋腱膜の固定位置を調整します。ふたえを作成しつつ、皮ふを縫合して、手術終了です。きずあとはふたえのところに隠れるので、目立ちません。手術時間は両側で1時間程度です。
・眉毛下皮膚切除術
まぶたを持ち上げる筋肉の問題はほとんどなく、皮ふのたるみが強い場合にこの手術を行います。眉毛の下のラインに合わせて、皮ふを切除します。眉毛の下のきずあとは非常に綺麗に治ります。手術時間は両側で1時間程度です。
・治療の流れ、術後の制限・生活上の注意など
手術当日はガーゼを付けて帰宅して頂きます。手術当日、翌日は出血の可能性を減らすためにも、運動や重いものを持つな
ど力む動作、大笑いなど血流が良くなる動きは控えてください。手術翌日診察でガーゼを外し、それ以降ガーゼは終了し、抜糸までは傷口に軟膏を付けていただきます。抜糸は手術後約1週間後に行います。
・費用
・眼瞼下垂手術(挙筋前転法)
3割負担の場合: 両眼で約60,000円
・眼瞼下垂手術(その他) 眉毛下皮膚切除の場合
3割負担の場合:両側で約50,000円
多くの医療保険で支給の対象となりますので、保険会社にご確認ください。
・術後の合併症
・腫れ・内出血
腫れと内出血は生じますが、どの程度かは個人差があります。腫れは1週間で8割程度、1ヶ月で9割程度引きます。内出血は2週間程度でほとんど消退します。
・きずあと
きずあとはふたえや眉毛の下に隠れ、手術後しばらく経てばほとんど目立ちません。
きずあとの赤みや色素沈着が手術後すぐはやや目立つ方もいらっしゃいますが、その場合でも術後3から6ヶ月かけて目立たなくなります。
・眼の開きの低矯正・過矯正・左右差
挙筋前転術はまぶたの開きを調整する手術ですが、麻酔や腫れなどの影響によって100%、完全には結果を予測することは出来ません。そのため、手術をしたがまぶたの開きが悪い、まぶたが開きすぎてびっくり目やドライアイが問題となる、開きの左右差があるなどが生じる可能性があります。腫れが原因の可能性もあるため、3〜6ヶ月程度経過をみて、それでも目立つ場合には修正を行う可能性があります(5%程度)。
・ふたえの消失・予定外重瞼
挙筋前転術ではふたえを作成しますが、体質によって、稀にふたえが消失することがあります。予定外重瞼は作成したふたえの上にもう一つ線が入るもので、上まぶたのくぼみや手術での操作が原因で生じます。こちらも3〜6ヶ月程度経過を見て、それでも目立つ場合には修正を行う可能性があります(まれ)。
・術後ドライアイ・乱視
眼瞼下垂の手術をするとドライアイになったり、乱視の度数が変わったりすることがあります。無理な手術をしなければ、術後6ヶ月後にはほとんどの方で元に戻っています。ドライアイに関しては、それまでのあいだ点眼することがあります。
・手術が2回必要となる可能性
眼瞼下垂には筋肉の要因と皮ふの要因があります。いずれも高度な場合、挙筋前転術と眉毛下皮膚切除術の両方が必要となる場合があります。
逆さまつ毛
・逆さまつ毛の症状
逆さまつ毛はまつ毛が内向きに生えて角膜や結膜に接触し、痛みやまぶしさ、かゆみなどが生じる疾患です。角膜に傷ができ、重症例では角膜が白く濁って視力が低下する、小児で視力の発達に影響するなど、視力にも影響がでる疾患で治療が必要です。
・逆さまつげの原因
逆さまつ毛は医学的にはさらに細かく分類されます。
・(先天性)睫毛内反
子どもに多いもので、まつ毛を外に向ける線維が弱いことや、まつ毛が皮ふ・筋肉・脂肪に押されて逆さまつ毛となるものです。蒙古(もうこ)ひだの張りが強いことも逆さまつ毛の原因となることがあります。
・(退行性)眼瞼内反
高齢者に多いもので、下まぶたを支える膜や靭帯がゆるんで下まぶた全体が眼球の方にひっくり返ってしまう疾患です。
・睫毛乱生
まつ毛の生える向きが不揃いで、眼球の方に生えているまつ毛が眼球に接触してしまう疾患です。
・逆さまつげの治療方法
逆さまつ毛の原因に応じて、手術方針が決まります。必ずしも1対1対応ではありませんが、原則は下記の対応になります。
・睫毛内反症手術(ホッツ法)
主に先天性睫毛内反に対して行います。この手術はまぶたのまつ毛の近くの皮ふを切開し、まぶたの皮ふを瞼板というまぶたを形作る軟骨のような構造に縫って固定してふたえを作成することで、まつ毛が外側に向くように調整する手術です。手術時間は両側で40分程度です。
・内眥形成術
主に先天性睫毛内反に対して行います。美容外科でいうところの目頭切開にあたる手術です。蒙古ひだが張りが強い方ではホッツ法のみでは再発する確率が高くなります。蒙古ひだのつっぱりを解除し、目頭を広げることで、逆さまつ毛の治療効果を高めます。手術時間は両側で40分程度です。
・眼瞼内反症手術(Jones変法)
退行性眼瞼内反に対して行います。上まぶたを開く筋肉と同様に、下まぶたにも下まぶたを下に引く膜があります。この手術は下まぶたのまつ毛の下を切開し、その奥の下まぶたを引っ張る膜を短くして、瞼板に縫って固定し、この膜のゆるみを解除します。手術時間は両側で40分程度です。
・睫毛根切除術
睫毛乱生症に対して行います。内向きに生えているまつ毛の周りを小さく切開して、まつ毛の毛根を切除する方法です。
・刺さるまつ毛を抜く、下まぶたにテープを貼る、点眼薬など保存的治療
一時的には上記治療による経過観察を行うことがありますが、根本的な解決にはならないため、手術による加療が一般的です。手術までの待機期間には効果的な対処法となります。
・治療の流れ、術後の制限・生活上の注意など
手術当日はガーゼを付けて帰宅して頂きます。手術当日、翌日は出血の可能性を減らすためにも、運動や重いものを持つなど力む動作、大笑いなど血流が良くなる動きは控えてください。手術翌日診察でガーゼを外し、それ以降ガーゼは終了し、抜糸までは傷口に軟膏を付けていただきます。抜糸は手術後約1週間後に行います。
・逆さまつ毛手術の費用
・眼瞼内反症手術
3割負担の場合: 両側で約30000円
※上まぶたでは眼瞼下垂を合併している方もおり、その場合は眼瞼下垂も同時に治療を行います。その場合、眼瞼下垂手術として算定します。
・内眥形成術
3割負担の場合: 両側で約120000円
高額療養費制度の対象となる可能性があります。
・逆さまつ毛術後の合併症
・出血・腫れ
腫れと内出血は生じますが、どの程度かは個人差があります。通常は気になる腫れは1週間程度で引きます。内出血は2週間程度でほとんど消退します。
・きずあと
上まぶたの場合はふたえに隠れあまり目立ちません。
下まぶたのきずあとは最初くい込みがありますが、しばらくかけて徐々に消えていきます。
・過矯正による眼瞼外反
まぶたが外向きに引っ張られ眼球から浮いている状態です。退行性眼瞼内反の術後に起こる可能性があります。数週間から3ヶ月程度で自然治癒する場合がほとんどで、それまでの間は点眼を行う場合があります。改善の見込みがないものは修正が必要となります。
・再発
逆さまつ毛が再発することがあります。可能性は10%程度です。再手術や別の治療方法を行う場合があります。
・眼瞼手術執刀医の紹介
形成外科専門医 熊切將宜
Masanori Kumakiri
眼瞼手術を担当させていただきます、熊切と申します。
院長の飯田先生とは掛川西高校の同級生であり、それ以来の長い付き合いです。飯田先生と連携し、眼瞼の治療を通して地元掛川の皆様に良い医療が提供できればと考えております。
私は京都大学を卒業し、形成外科専門医を取得したのち、眼周囲(まぶた・涙道・眼窩)の専門施設である聖隷浜松病院眼形成眼窩外科へ国内留学し、この分野の経験・知識を積みました。留学で培った専門技術を生かし、皆様のお悩みにお応えします。よろしくお願いいたします。
略歴
2008年 掛川西高校卒業
2014年 京都大学医学部医学科卒業
2014年 京都大学医学部附属病院・京都医療センター臨床研修
2016年 京都医療センター形成外科
2021年 形成外科専門医取得
2021年 聖隷浜松病院眼形成眼窩外科
2023年 京都大学大学院医学研究科 形成外科学
・よくある質問
Q手術中に痛みはありますか?
最初に麻酔の注射をするときにチクッとした痛みがありますが、その後は痛みを感じることはほとんどありません。もし痛みを感じるようであれば麻酔の追加を行います。
手術後は麻酔が切れると軽い痛みを感じることがありますが、痛み止めのお薬で十分コントロールできる程度です。腫れや内出血のほうが気になる方が多いです。
Q手術時間はどれくらい時間がかかりますか?
手術時間は両側で40分から60分程度です。
Q手術後直ぐに見えるようになりますか?
腫れているうちはやや見づらいですが、まぶたが開けられないほど腫れるというのは手術後すぐでもほとんどありません。
Q他に目に病気がある場合も手術はできますか?
ドライアイや緑内障手術後など、目の病気がある方にはそれに対応した術式や調整方法で手術を行えます。術後の診察で、目とまぶたを並行して診察できるというのも当院の魅力の一つです。
Q手術の際、入院は必要ないのですか?
日帰りでの手術で問題ありませんが、通院が困難な場合や、全身状態が悪い方は入院設備のある施設をご紹介致します。
Q手術後の通院は必要ですか?
術後は翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後と検診にお越しいただき、その後は経過により診察をさせていただきます。
Q手術に付き添いは必要ですか?
手術の準備から手術中、手術終了後の身の周りのことまで、当院スタッフがすべて丁寧にお手伝いをさせていただきますので、付き添いの方がいらっしゃらなくても手術はお受けいただけます。手術後は、少し落ち着かれるまでお休みいただいてからお帰りいただきます。お一人で手術を受けに来られる方も多くいらっしゃいます。
※ただし、手術当日、翌日の運転は控えて頂いております。
Q手術はいつ受けたらいいですか?
眼瞼下垂は手術せずに自然に改善するものではありませんが、治療しなければ眼瞼下垂に伴う症状は続きます。
Q手術後、再発することはないのですか?
眼瞼下垂ではすぐに再発するということはほとんどありません。
ただ、筋肉を糸で縫って固定するという手術ですので、その固定が緩んだり筋肉が裂けて伸びたり、などあれば可能性としてはありえます。
また、手術を行っても加齢に伴って少しずつ進行するという加齢現象を止めることは出来ませんので、数年後・十数年後にまた手術が必要となる可能性はあります。
逆さまつ毛の治療では再発が最も気をつけなければならない合併症ですが、どうしても可能性はゼロではありません。経過を見させていただくことが重要となります。
